懐石料理のテーブルマナー2

懐石料理の後半は、亭主と客が同じ時間を持てたことを喜び、語らうことが大切です。亭主は客に喜んでもらえたかが気になりますし、客は素敵なひとときに感謝を表します。もてなしを受けた客にも作法やマナーが要求されます。

強肴はさけを勧められた際に出てくる料理です。半東(亭主の補助)が強肴を運びます。亭主は強肴を八寸の左側(上座)に置きます。
正客は強肴の器を取り、向付の器などに取ります。自分の分を取ったら末客まで取り回します。亭主は正客から順にさけを勧め、飲める人は受け取ります。亭主は正客の前に戻るので、正客は「お納めを」といってさけを勧めます。
亭主が盃を盃台に戻したら正客は「ご都合でお湯をお願いします」と湯を頼みます。湯とは湯桶のことをいいます。
亭主は使った器を持って下がります。客は吸い物の器の蓋を拭き、使った器を膳の外に出しておきます。次客のほうへまとめると良いでしょう。

ご飯の器にはご飯と湯の子と湯、吸い物の器には湯と湯の子が残っている状態です。向付には香の物がのっています。
まず、ご飯の器に入った湯の子と香の物を一緒にいただきます。吸い物の器を湯と香の物でゆすぎます。この湯をごはんの器に移してゆすぎ、湯をいただきます。
湯漬けを食べ終わったら、吸い物の器と蓋を懐紙で拭きます。向付も拭き清め、箸の先を拭います。 ご飯の器はそのままで、吸い物の器にご飯の器の蓋をのせ、その上に吸い物の器の蓋をのせます。ほかの客はその上に盃を重ねます。箸は膳の右端に手元をかけておきます。